2011年10月9日、今年もデス~~の名前を冠したイベントが敢行された。
テーマは新しくハイドラGPに加えようともくろんでいる「猫撃ち大会」
が実際に実施可能か調査するためである。
午前11時の定期船に乗る為、徐々に高齢化が進むクリムゾナーが船着場に集結する。
脱落者、遅刻者なし、忘れ物なし、幸先の良いスタートだ。
今回のデスイベントの目玉はハイドラGP競技にも採用が検討されて
いる「猫撃ち選手権」である。
島内にいる猫をより多く写真に収めた物が勝利者となる競技だが、
事前に犬島を調査していたクリムゾナーから、「犬島に猫はいない」
との情報が届く。これは困った、数年前はそれこそ数百匹単位で
生息していたらしいが、今は餌付けを禁止され数が激減してしまったらしい。
一抹の不安を覚えながら船に乗り込む。
今日はイベントが犬島であるらしく乗客が多い、寸での所で店員オーバーとなり、
一行は2回に分けて島に渡ることになった。
二回目の船に乗った要領の悪い傭兵の方々、本当の傭兵なら今頃シベリアに抑留されて帰ってこれない・・・
前日の悪天候から当日の天気が心配された。
しかし、夜が明けてみれば快晴の空模様。
ここ数年デスイベントでは晴天に恵まれていたが
今年もクリムゾナーの想いが天に届いたようだ。
11時20分、参加者11人が全員犬島の地に立つ。
まずは島をグルッと散策する。
いない、本当に猫を一匹も見かけない、これは猫撃ちイベント中止か?
大きくなる不安を抱えながら30分ほどかけて島内をめぐる。
それにしても、小さな島ながら緑の多い島だ、そこに溶け込むように存在する
家屋との調和が昭和の原風景を現代にも伝えている。
猫はいない、しかし虫は多い、特にバッタが大発生といって良いレベルで
存在している。「虫撃ちに変えるか?」と考えもするが、固体の識別が
出来ないので競技にはなりえない。どうしたものか‥‥
猫はいないが犬の石像がある、跨って威厳を放つプレジデント真鍋。
とにかく、折角犬島に上陸したのだから犬島銅精錬場跡に足を向ける。
今はその一部を美術館として改装しているが、象徴とも言うべき
巨大な煙突郡は健在、その巨大さと滅び行く独特の美しさと危うさが
心を打つ。
煙突だけではない、炉などの精錬施設や発電所の跡地など、残された
その姿から当時の様子を偲ぶ事が出来る。
皆、熱心にその風景に見入り、ファインダーと心にその姿を焼き付ける。
今回参加したクリムゾナー達、果たして彼らの心には何が残っただろうか?
そして13時半、昼食のための休憩を取り、いよいよ猫撃ち選手権を
開催する。
開始時間は14時15分、15時15分までの1時間でより多くの猫を
被写体として収めた者が勝者となる。
事前調査したクリムゾナーの報告で1匹がいることは確認されている。
到着直後にまったく猫の気配を感じなかった事から
「その1匹を撮った人が優勝だな」と言う空気が流れる。
そして、三々五々散っていく参加者たち。
とにかく、手当たり次第に歩く物、事前に調査を行ったもの、
地元の人に情報を聞くもの、その行動は様々だった。
我々スタッフも猫を求めて島を歩く。
いない、とりあえず、島を回るが猫はいない、いや、そもそも四足の
生き物の気配が無い。
やはり、いないのか?
しかし神社の境内の前でプレジデント真鍋が足を止める。
「いた!!」
なんと、猫がいた、しかもどうやら飼い猫ではない様子。
必要に後を追いかけ、何とか正面顔のショットの撮影に成功した。
その後、更に足を伸ばすと、廃材の山に張り付くクリムゾナーを発見。
どうやら、母猫と子猫が2匹いるらしい。
後で聞くと、この猫の存在を知っていたのはここにいた2名だけだったようだ。
その直ぐ近くの民家では、なんと4匹の猫に遭遇。
飼い猫なのか、非常におとなしい。
みな、ここの猫はキッチリ写真に収めた模様。
競技終了の15時15分。
クリムゾナー達が続々と船着場に集結する。
それぞれの成果を見せ合い、猫の総数を確認する。
概ねの見解では総数は5匹、と言う事だったが、先の廃材の山で猫を追っていた
クリムゾナーの報告により、その他に3匹の猫が折どうやら総数は8匹だったと判明。
この3匹の存在を知っていたのは前述した2名のみ、更に写真に収めたのはその内の
一名だけだったようだ。
現在、参加者から当日取った写真を鑑定中だが、どうやら唯一幻の3匹を写真に
収めた人間の勝利が濃厚だ。
結果は集計が終わり次第発表します、乞うご期待。
しかし、この「猫撃ち」思いの他熱くなる競技である。
最初は冗談めかしていたが、現在は本気でハイドラGPの正式競技としての採用を
検討中である。
そして、帰路の船に乗り込む面々。
約4時間ほどの滞在だったが、非常に充実した時間を過ごしてもらったようだ。
日差しは強かったが海からの風は涼しく、程よい疲労感が心地よいくらいだ。
対岸に渡って、プレジデント真鍋から締めの言葉がおくられる。
皆さん、非常に良い笑顔でそれに返礼する。
プレジデント真鍋の「来年のデスイベントはマカオで開催を考えています。」との
発表に驚きを隠せない一行、冗談なのか、本気なのか、その真相は来年の発表まで
パスポートを取得してお待ちいただきたい。