デスハイキング2012in宝塚~名塩 リポート
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毎年恒例のデスイベント、中々予定が発表されず開催が危ぶまれたが
今年も無事に開催されたのでその模様をレポートするぞ。
2012年11月3日、肌寒いながらも快晴に恵まれ絶好のイベント日和。
ここ数年は天気に恵まれているデスイベントだが、これは偶然ではない
実は緻密な計算の元、もっとも天気が安定している日を毎年選んで予定
を組んでいるのだ、傭兵たるもの天気位は予定に組み込めなくてはならない。
まずは今回のイベントの出発地点、宝塚市へと向かう。
ここには、とある神様の神殿があるのだ、明日の命も知れぬ傭兵にとって
神頼みは最後の切り札、信仰心を忘れてはならない。
これがその神様の神殿。
そう「漫画の神様」こと「手塚治虫」先生の記念館だ。
宝塚は手塚先生が幼少の頃を過ごした地、そしてこれは偶然だったのだが
なんと、当日11月3日は先生の誕生日と言うミラクル!
これは今日の行軍に手塚先生のご加護があるに違いない、我々は館内で
手塚先生の偉業に触れ、そのオーラを一身に浴びて決死の行軍に赴く。
火の鳥の前で当日集まったクリムゾナーの集合写真、何故か宝塚音楽学校
の前でも記念撮影慣行。
神様へのご挨拶も済ませた一行は本日のメインイベントである
「デスハイキング」の出発点となる「武田尾駅」へと降り立った。
駅に到着した傭兵達の顔が白み、言葉を呑む。
「秘境」そう、まさにそこは秘境の駅だった。先ほどの宝塚駅から電車で
わずかに20分程度の場所なのに圧倒的な自然が押し寄せてくる。
聳え立つ山々の間を流れる渓流、駅の周りにだけ文明の息吹を紙間見る
ことはできるこの異常空間に傭兵達が気おされているのが手に取るように
分かる。
しかし、ここで立ち止まっていても仕方はない、ここは出発点でしかない。
我々はつり橋を渡り、いざデスハイキングの入り口へと足を踏み入れた。
つり橋の前で談笑するプレジデント真鍋と傭兵達。
「廃線ウォーキング」なんと不穏な響きを含む爽やかな言葉であろうか。
ここからが「デスハイキング」のメインイベント、旧国鉄福知山線の廃線跡を
ひたすら歩く行軍演習だ。
時間は午後5時、思ったよりはまだ明るい物の確実に日は傾いてきている。
ここから先は廃線跡だ、砂利道に残る枕木と打ち捨てられた鉄橋、そして漆黒の闇を
湛えるトンネルのみが続く道。
街頭など気の利いたものはない、むしろ月の光さえ遮ってしまいそうな深い森が
左右に広がるのみだ。
まずは最初のトンネルにたどり着く、このコースには全部で6つのトンネルが存在する。
この最初のトンネルは距離が短く、また日はかなり傾いているものの夕焼けがまぶしい
ほどに明るい、電灯の類が一切ないとはいえ全く不安を覚えることなく、皆が歩を進める。
次のトンネルが見えてきた、この時点で出口が見えている程に距離は短く、また先ほどの
トンネルから距離も近いため時間は経っておらずまだまだ明るい。
当然、何のハプニングもなく潜り抜けてくる傭兵たち。
抜けた先にはすぐに小さな橋があり、その先には記念碑と謎のオブジェが設置された
踊り場のようなスペースがあった。ここで皆が一旦集合し、15分ほど休憩を取る。
そして、進軍を進める傭兵達の前に警告文を認めた看板が立ちはだかった。
そう、これまでの道のりはただのハイキングコース、真の「デスハイキング」はここから
が本番なのである。
3つ目のトンネルがその口をあける。
これまでの物とは長さが違う、これだけ明るい中でも数メートル先には暗闇しか見えない。
入り口横の「トンネル内照明なし」の看板がにわかに際だって来る。
歩き出す傭兵達、数メートル進むと辛うじて出口の光が見えると言う感覚。
出口は見えるがその距離が縮まる感覚が薄い、これが闇の恐怖だ、自分たちがいかに普段
視覚に頼って生きているかを実感する。
写真ではフラッシュが焚かれているので明るく見えるが、実際には何も見えない状態だ。
ようやく出口が見えてきた。
トンネルを抜けると、今度は赤さびた鉄橋が目に飛び込んでくる。
鉄橋そのものは閉鎖されているため、その横にしつらえられた点検道のような所を渡る。
道幅は60cmといったところか、一人づつ1列になって進む。
見た目より足元はシッカリしているが、川までの高さは6メートル程度はあるだろうか。
このリアルな高低差が逆に恐怖をかりたてる。
鉄橋の先には次のトンネルが口をあけていた。
ここに来て日が落ち始め、ぐっと辺りが暗くなる、フラッシュを焚かずに取った写真は
こんな有様、ここでプレジデント真鍋の指令が下る。
「このトンネルは一人づつ、1分毎に出発しよう。」
さぁ本番だ、1人1人カウントダウンしながらトンネルに出発していく、本の数歩歩いた
だけで、その後ろ姿は確認できなくなる。
漆黒の闇、と言う言葉をここで始めて体験する、本当に何も見えない、目をつぶっても
目を開けていても状況は全く同じなのだ、トンネルは真っ直ぐなため壁にぶつかる事は
ないが、下は線路跡、枕木や砂利で歩きにくいので中々のスリルが味わえる。
少し前を行くプレジデント真鍋の背中、実際は何にも見えない状態だ。
そしてトンネルを抜けた先で傭兵達が一旦休憩をして、人数の確認をする。
人数の増減はない、誰も遭難せず誰も何かを連れてきたりはしていないようだ。
そして急に空が暗くなる、時間はそろそろ6時半と言うところ。
次のトンネルを歩いている最中、写真を撮っていた傭兵がフラッシュの中に偶然横穴
を発見する、退避用のスペースだろうか、よく見ると天井に蝙蝠がぶら下がっている。
ムササビじゃないのが残念だ。
そして最後のトンネルの入り口にたどり着いた。
ここは今までのトンネルより新しいのだろうか?石垣はなく、すべてコンクリートの
壁面が続いていた。くどいようだが実際は真っ暗でなにも見えない状態だ。
そして最後のトンネルを抜ける、距離にすればせいぜい数キロの道のりなのだが、足場
と暗闇のせいでここまで来るのに1時間半ほどかかってしまった。
無事、行軍を終えた傭兵達の勇姿!
行軍を終え思ったのは、真の暗闇と言うものはそれだけで意外と楽しいということだ。
普段我々は何かしらの光の中に生きていて、よっぽど準備しなければ本当の暗闇と言う
物にはお目にかかれない。ここでは簡単にその世界を味わうことができる非日常な空間
が広がっているのだ。
さぁ、まともな世界に帰ろう。
そして最後の締めくくりは名塩駅。
なぜここが最後の目的地なのか、それはこの写真を見てもらえれば一目瞭然だ。
そして名塩名物の斜行エレベーターに乗って60mの高低差を一気に上がり、そこで
最後の記念写真、みなさんお疲れ様でした。