第3章 ゲーム作りは初めてです

□1995年1月25日 11時00分 セガ社内

水曜日の朝11時、セガの部長、青山は出勤後ゆったりとした気分で朝の時間を過ごしていた。ゲーム業界歴25年、黎明期から関わってきた男にとって、毎日が戦場のようなゲーム業界で、ほっと一息つける時間と言うのは何ものにも代えがたい時間であった。

「部長、昨日の例の案件、先方から回答がありまして、開発費は6億円ほど用意したそうです」
「6億円か、あの会社にしては結構がんばったが、あと2億円ほど上積み出来ないか問い合わせてみてくれ。現状なら出せば50万本は売れるんだから、初回の開発費は十分に用意した方が結果リターンも大きくなる」
「そうですね、部長」
「典型的なハイリスクハイリターンの業界だからな。まあ、今は出せばどんなタイトルも最低5万本は売れる、インベーダーバブル以来のゲームバブルだからな」
世の中の土地バブルは崩壊の真っ只中、ゲーム業界は新しい再編の動きが活発になっていた。
ソニーが新しいゲーム事業を立ち上げ、メディアにCD−ROMを採用し、3次元ポリゴンに対応したゲーム機、プレイステーションを開発し発売、セガもメガドライブの後継機、セガサターンを負けじと発売し、激しくプロモーションを展開していた。
任天堂のNINTENDO64もまもなく発売になり、3社によるプロモーションの相乗効果もあり、ゲーム界は空前の好景気を迎えようとしていた。

青山の部門は、セガ以外に、セガのハードを使ってゲームを開発したいと言う外部の会社、すなわちサードパーティに対して、参入を進めたり、開発や販売を指導したりと、ハードメーカーとしてグループに参加するメンバーを選別し、優良なコンテンツをこれから作り出すであろう会社を育て、またすでに優良なコンテンツを保有している会社に対しては、自社のハードでのリリースを進める、いわばハードメーカーとしてのセガが外に向けて開いた社運をかけた最前線の重要なポジションである。

「部長、コーヒーです。ここにおいておきますね」
「ありがとう、稲本君。今日は静かな一日だね、こじれそうな案件の打ち合わせも無いし、嵐の中のほっと一息つけるゆったりした1日になりそうだね」
「そうですね、部長。そういえば先ほど、大阪の会社から、セガサターンに参入したいと言う電話がありました」
「そうか、ゲーム開発の経験はある会社か」
「いや、全く開発の経験は無いそうです。なんでも、ゲームを作りたいから話を聞かせて欲しいと言うことで、ゲーム業界が景気がいいから、他の不況業種から参加したいと言う甘い考えで電話して来ていると思います。部長が会われるほどでもないと思いますので、私が適当に対応しておきますね」
「そうだな、アポイントは何時なんだ」
「それが、今日の午後3時なんです。朝の11時頃電話がありまして、いきなり用件を言い出して、早い方がいいと、なんか電話口ではぁはぁ言ってまして、ちょっと危ない人かも知れませんが、すごく切羽詰った感じで話してましたから、わたしもちょうど今日の午後は、別件の打ち合わせが延期になったところで時間がありましたから15時に来るように言っておきました」
「はぁはぁ言ってた?変なやつだな。この世界、プラモデルとかにはぁはぁ言う開発者はたくさんいるんだが、電話口でセガに電話してはぁはぁ言うやつは珍しいね」
「部長、興味を持たれましたか、この会社に」
「いや、そう言うわけでもないが、最近この手の業界のことを全く知らない素人が時々訪ねて来る。六本木の会社がやってる“ゲーム作ろう”と言うキャンペーンで素人を集めて、さも簡単にゲームが作れるように持ち上げて資金を用意させて参入させる、業界に詳しい人間からすると全く考えられない話だな、素人にゲーム作れますと言って、参入させるなんて、ありえない話だ」
「そうですね、ゲーム制作はそんなに生易しいものじゃないですよね」
「だが、六本木の方でそんな動きをしている以上、うちも一応は検討する必要があるかもしれないな」
「部長、ミーティングにお出になりますか」
「その時間に暇だったら行くよ、暇だったらね」
そう言いながら、青山部長は稲本に片目で微笑んだ。


□1995年1月25日 14時50分 セガ

14時50分、威圧的なセガの建物を前に、マナベは大きく深呼吸をした。
会社を出てからちょうど3時間50分。ここまで、飛行機とモノレール、電車を乗り継いで、京急大鳥居駅に到着した。

「これがセガか、全面鏡張りの生意気な感じのするビルだ」
「やっぱりゲーム会社だから、宇宙人の格好をした社員とか、水着のコンパニオンとかが社内をうろちょろしているのかな、いつも着ている作務衣ではちょっと地味だったかもしれない」
そう言いながら、入り口を探して辺りを見回す。
「守衛もなんだか、宇宙戦艦の警備員みたいだし、ちょっとすいません、ここがセガですよね」
「そうです、ここがセガ本社です」警備員が答えた。よく見ると、服装は普通のガードマンの制服であった。
「さっきは宇宙戦艦の警備員に見えたがよく見ると普通の警備員だ、どうして見間違ったんだろう」
ふと周りを見ると、駐車場にカウンタックが駐まっている。
「あの車はなんですか、なんだかウルトラセブンのポインターみたいなやつですけど」
「あれは、セガの誇る世界的に有名なプロデューサー、名賀さんの自家用車です」
「そうなんですか、面白い形の車ですね。しかし、大きなお世話かもしれませんが、セガの本社の割には駐車場が狭いような気がするんですが、これでは車が5台くらいしか駐められないんじゃないですか」
「ここは、特別な人の専用駐車場です。一般の車は、裏手にある立体駐車場に入れてもらってます」
「要するに、売れっ子は会社の前に車を駐められて、普通の人は裏手に回る、厳しい競争社会だと言う理解でよろしいでしょうか」
「私どもにそう質問されても解りません、私はここで警備を行っているだけですから」警備員が困ったような顔でマナベを見た。
「ありがとうございました」礼を言うと、マナベは受付に向かった。

「エコールのマナベです。初めまして」マナベが向かいのソファに座った体格のいい男に名刺を渡す。男も同様にマナベに名刺を渡し、続いて男の隣に座った若い女性も名刺を渡した。男は青山部長、若い女性は稲本である。
「実は、デスビスノスに追われてまして、メラニートの指示で越前を1年以内に探さなければならなくて、そのためにゲームを作ればいいんじゃないかとうちの専務が言い出しまして、それならばと、セガをご訪問したしだいです」
「ほほう、すでに企画も考えられておられるわけですな」青山部長が微笑んだ。
「ちょっと、失礼します」そう言いながら、青山部長は稲本を促してミーティングルームの外に出た。
「稲本君、あのマナベと言う男、ちょっと変だね。久しぶりに新規参入希望会社のミーティングに参加してみたが、最近君が会っている新規参入希望会社と言うのは、あんなのが多いのかね」
「時々いますね、あんなのは。ただ、一応会社案内を見ると、5年くらいは普通に建築関係のソフト開発をしていたらしいですし、大丈夫かなと思っていたのですが、いきなりあの発言だと、勘違いの同人関係者と区別がつかないですね。どうしましょう、適当にパブリッシャー紹介して帰ってもらいましょうか、ビアンキ名古屋とか、大井町出版とか」
「まあ、たまには変な人と話をするのも気分転換になるし、今日はそんなに予定もなかったはずだね、稲本君。小一時間ほど話してお引取り願おうか」
「了解です、青山部長」二人はマナベのいる部屋に戻った。

「で、ゲームってやっぱりC言語なんですか、コボルとか使いませんよね。うちの会社アセンブラやったこと無いんですが、それでも大丈夫でしょうか」
「C言語が出来れば大丈夫ですよ」
「開発機材はやはり1千万円くらいするんでしょうか、それだと中小企業投資支援基金の信用保証をしてもらって銀行から借りて来ないといけないんですが」自分の会社の都合を話すマナベ。
「あなたは運がいい。確かに以前の開発機材は1千万円くらいしていました。ところで、例の六本木の方の会社が安いボードを開発会社に提供してゲームを作るキャンペーンをやっているのはご存知ですか」
「知ってます。セガと交渉が成立しなければ、このあと電話を掛けてみようかと思っていたくらいですから」相変わらず業界のルールを無視して問題発言を繰り返すマナベ。
「それもあって、セガでも購入しやすい開発機材のセットと新しく三次元に対応したライブラリを開発中で、今日辺り完成するところです」
「ふぉふぉふぉ、それは好都合ですな」なかなか都合のいい展開にほくそ笑むマナベ。
青山が提示した開発機材の金額は、月々リースで税別12万8千円、マナベの会社エコールで払えない金額ではなかった。
「では、リースで開発機材を買い、あとはゲームを作るだけなんですね。三次元も出来るんだったら、ガンゲームなんかも簡単に出来てしまうわけですね」
「来週、セガの期待の新作、バーチャコップが発売です」そう言いながら、青山は稲本を促した。稲本が応接室の隅にあるセガサターンを取り出し、電源を入れた。

「ばん、ばん、ばん、あぎゃ、ぐおー」
警官がテロリストたちを次々とやっつけて行くシーンが展開され、マナベはそれに見入っていた。
「これなら、このようなガンゲーム、うちにも作れますね」あまりに安易な発言に返事をしない青山部長。
「じゃあ、さっそく作ってみます。なんか簡単そうだし、これならすぐ作れそうな気がします。がんばります」にこやかにマナベが答えた。

「開発前のプロセスとして、企画承認を先にとってから開発を始めて下さい。もちろん、先に自社リスクで入ってもそれは御社の自由ですが、作った企画が必ずしも承認されるとは限りません」稲本が冷たく言い放った。
「そうなんですか、企画審査があるんですか」やや不安になって聞き返すマナベ。
「面白いゲームを作る以外にどんな目的があるんですか」
「ゲームといえども、セガサターンのブランドを被せて発売するわけですから、品位を損なうようなもの、他人を中傷したり傷つけたりするもの、暴力や性的表現も厳しい制限があります」
「大丈夫です、うちのゲームはデスビスノスを倒すために越前をあぶり出すのが目的ですから、性的表現はありません。だから、企画書は出さずに作ります」本当は企画書の書き方が解らないから、企画の事前審査に激しく抵抗するマナベ。
「それは、御社のご自由ですから、でもセガの倫理審査は厳しいですよ。そこのところは覚悟しておいて下さい」
「解りました」

「では、私は次のアポイントがあるので、ここで失礼。稲本君、あとはゲームの流通のしくみとか、マスターアップの手順なんかを説明してあげて下さい」そろそろマナベとの話に飽きてきた青山部長が席を立つ。

「稲本さんは、ハングオン、ご存知ですか。あのプラスチック製のバイクにまたがって画面を見ながらレースをするバイクゲーム。あれ、学生の頃散々やりました。昼飯をかけて友達と勝負したり、麻雀の負けはハングオンで挽回するとか」
「あれは、セガでは神様と言われている鈴木裕が開発したセガの自信作です。あとはアフターバーナーとか、当時は専用筐体の走りの時代で、多くのヒット作が世に出ました」世間話ですこし和んだ表情をする稲本。

「発売する際には、パブリッシャーとして自社が発売元となって発売するケースと、デベロッパーとして、開発のみ行い、パブリッシャーを見つけて発売するケースがあります。開発力と資金力を持っているところはパブリッシャーとして参入し、そうでなければデベロッパーとしてまず何か作りそれからパブリッシャーになる場合もあります」
「だめです、そんな悠長な計画ではデスビスノスに殺されてしまいます。最初からパブリッシャーでがんばります」
「なかなかユニークな理由ですね、要するにパブリッシャー契約を希望と言うことですね」
「そうです、パブリッシャーです」
「では、販促活動として、SPの重要性を説明します」

「SPとは、販売店に対する直接のケアーのことです。販売店は全国にたくさんありますが、主要な店と言うのは限られており、上位10%の販売店で全体の70%の売り上げをあげると言われています。この上位店に対して、メーカーが直接販促物を届けたり、イベントを提案したりするのがSPの基本です」
「ふーん」もうひとつピンときていないようなマナベ。
「具体的な話では、自分の商品が品切れになっている場合、ショップの方に注文を勧めるとか、また自分の商品が目立たない場所に置かれている場合、こっそり目立つ場所に移動したりすることもあります。まあ、極端な例ですけどね」
「普通は、目立つようにスイングポップを作って商品のそばに貼らせてもらったりとか、競合商品のポスターをはがして自分のポスターを貼ったりとかする場合もあります」
「結構地道な営業活動をやるんですね」
「ショップの方も、メーカーからそうやってケアーをしてくれると嬉しいものです。わざわざメーカーに連絡してポスターを送って欲しいと言うのも大変ですし、メーカーの方が出向いて販売協力をしてくれるとそこの商品をより目立つ場所に置こうと考えるものです」
「パブリッシャーなら、絶対にSPを軽視しないで下さい。時期がきたらリストをお渡ししますので、少なくともその200店舗に関しては必ず訪問してケアーするようにして下さい」
「よく解りませんが、解りました。他には何かありますか」

「次に重要なのは、雑誌対策です。これも一部の有名メーカー以外は、自分から雑誌社にテストロムとかを持ち込んで売り込まなくては記事として大きく取り上げてもらえません。広告も重要ですが、記事の中で取り上げてもらう、これの方がさらに効果が高まります。そのためにも、編集長や担当者とは日ごろから仲良くしておいた方が良いでしょう」
「と言うことは、訪問の時は手土産とか持って行った方がいいんでしょうか、それとも商品券とかの方がいいですか」
「あまり生臭い話はかえって印象を悪くします。商品券なんかは論外です。ただ、有名ゲームのレアなテレカなどをあげるとすごく喜ぶ場合もありますが、御社の場合は手持ちのネタがまだ無いようですから、頻繁に、発売が近づいたら毎週、あたらしい素材を持って訪問するくらいの気構えが必要です」
「そのように計画しておきます」素直に話を聞くマナベ。

「まずは、企画書を提出して下さい、企画書の段階でほぼ、そのゲームがこけるかこけないかは解ります。あえてこけそうな企画を進めて会社をつぶしてその恨み言をあとで言われても困りますので、まず企画、それも画期的に面白く実現可能な企画を考えて企画書にまとめて提出して下さい。その際にスケジュールと開発予算、プロモーション計画もお忘れなくお願いしますね」
「解りました、企画を早速考えて、提出します。今まで誰も作ったことが無いような画期的な内容のゲームにしますので、楽しみに待ってて下さい」
「企画書、楽しみにしています。くれぐれも、企画承認をとる前に開発を開始しないで下さいね。ボツになっても責任が持てませんので」稲本が念を押す。


「部長、新規参入の会社の方がお帰りになりました」
「お疲れさん、まあ、一言で言えば、あれはダメだろう、だいぶ頭が錯乱しているし、あまりに業界の知識が無さ過ぎる。勢いだけで仕事が出来るほどゲーム業界は甘くは無いな。地道に5年くらい下請けで技術力をつけて、それから徐々にステップアップしないとな」
「それが部長、いきなりパブリッシャーでやりたいとか言ってました。どうやらパブリッシャーと言うものの意味が解ってなかった様なので、とりあえず簡単には説明しておきましたが、正しく伝わったかどうか心配です」
「まあ、一応開発機材を買う予算は有りそうだし、社員もいるらしいから開発費も大丈夫だろう、つまらないものを作ってきたら、その時点でボツにすればいいし、そもそも企画書の時点で、話にならん企画は通さないから、それも大丈夫だろう」
「セガの品質保証部は悪魔のようにクオリティには厳しいですからね。つまらないソフトがリリースされることは100%ありえません」
「まあ、あのなんだっけ、会社名、ああ、エコールね、あれがゲームを完成させられる可能性は10%くらい、3年後に業界に残っている可能性は1%も無いだろう。10年くらいたって古い書類を整理している時に、昔そう言う会社が参入したこともあったなぁと忘年会の笑い話になるのがいいところじゃないか」
「でも部長、もしかして10年後に残っていたらどうします」
「もしエコールが10年後に残ってると言うことは、例えるならば、ナムコとバンダイが合併して、エニックスとスクウェアが合併して、セガとサミーが合併しているくらいありえない話だよ、ぐぁ、ふぁ、ふぁ」青山部長はそう言って豪快に笑った。


□1995年1月25日 17時00分 大鳥居

「前のジョナサンで企画でも早速考えるとするか」
セガを出たマナベは早速セガ本社の向かい側にあるジョナサンに入った。
「なんだ、このジョナサンは、セガのバッジをつけた社員が半分くらいじゃないか、もしかして、セガって予算ケチって応接室が足りなくなったのかな」
そう言いながら、窓際の席に座った。
「ここはセガの本社が良く見える、セガを見ながら企画を考えるのも風流なものだ。究極の現場主義だな」ぶつぶつ言いながら、コピー用紙を取り出して、アイディアを書き始めた。

「ガンシューティングと言うのはすでに決まっているから、問題は何を撃つかだな。ネズミはありきたりだから、リスでも撃つか、だがリスは可愛く見えるので苦情が心配だし、モモンガにするか」そう言いながら、敵はモモンガとコピー用紙に書き込んだ。

「バーチャコップのような人間型は、モーションキャプチャが必要だからまず除外、
やはり宇宙生物にしておくと少々つじつまの合わないものが出て来ても、宇宙生物だと言うことでごまかしがきく。なかなか宇宙生物は便利だな」と呟きながら企画書に書き込んだ。

「マップは良く考えないと作る時に困るな」
「そもそも、広くないとガンが撃てないが、ごちゃごちゃしているとまたマップを作るのが大変、地平線が見えると遠くまで作らなければいかん」
「やはり、塀で囲まれた大学とか、渓谷とか、すり鉢上のものにせねば」

マナベはかつて旅行したヨーロッパの南スペイン、アンダルシアの光景が目に浮かんだ。
「イメージはアンダルシア、アルハンブラ宮殿、こんなイメージで」
「敵キャラはポリゴン数の関係で、薄っぺらいものにするか」
「本当はスルメイカでも撃つのがちょうどいいのだが、そのままスルメイカを出すのはだめだから、足と胴体を逆にして―――」
「あとは、殺虫剤の缶みたいなものを2個つけたリュックサックみたいなものも作っとこう。逆噴射しながら空中を飛び回る感じで」

「地面を歩くやつも、足が滑ると面倒だし、基本は空から来る小物体、
歩いて来るやつは足がすべるし、突然出て来て武器で攻撃して来るのがいいね」

「あとは、お約束の嫌がらせに出て来る民間人。わざと銃の前をちょろちょろ横切ったり、急にこけてみたり、敵に捕まって助けてくれと泣き言を言ったりする情けないやつを入れて」

「ラスボス、これはデスビスノスだろう、他の名前はこれにあった雰囲気のものをつけよう、と言うことで、リムブルク大学、シャナファーラ遺跡、アッシムの館、コネラート橋、こんな感じかな」

「あとは主役の越前のプロフィール、身長180センチ62キロ、
サワダの話から焼きビーフンは入れざるを得ないね」
「ジェームスボンドみたいにすると、女性キャラをたくさん出さないといけないが、
髪の毛をなびかせるのが大変だから、女性はやめとこう、と言うことで女性の扱いは苦手、これで女性を出さなくてすむ、ふふふ」

「自分の武器だが、銃が同じだと退屈するから進化する銃にしよう、だが、本当に進化すると、強すぎてゲームにならんから、進化すると言う建前で実際は退化する方向にしよう。爆弾を発射してそれをさらに撃つボムファイアとか、マシンガンは定番だから必要だな」

「こんな感じで、ちょいちょいちょいと、企画書にして―――
いずれ、セガに出して企画承認をもらうとしよう」
「まあ、どう考えても、倫理基準に引っかかりそうな内容じゃないし、
承認は発売間際でもいいだろう、大体作っておいて、最後に完成品と企画書を出す、その方が面倒が一回で済むし効率的だ」

「よし、企画完成、あとは作るだけ、待ってろよデスビスノス、思いっきり凄いゲームを作って越前をあぶりだしてやる、クビを洗って待ってろ」